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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

為替ヘッジ

為替ヘッジと言う言葉を聞いたことがあるでしょうか。

よく目にするのは投資信託だと思います。種類によっては為替ヘッジなしと為替ヘッジありの二種類が存在していたりするので、これってどう違うのかと疑問に思う方は多いと思います。

 

ヘッジとは防御や保険といった予防的措置を意味するもので、要するに為替のリスクを抑えると言う意味になります。

 

さてそれはどうやって行うのかですが、基本的には証拠金取引を行います。オプション取引先物取引ですね。とは言えこれらの取引は証券外務員1種の知識が必要なのでここでは簡単に説明します。

 

現在の為替レートが1ドル100円で両替されているとして、数ヶ月後に再び1ドル100で両替をする予約を行うのです。為替予約といわれるもので、為替を扱う輸出企業などでも普通に行われている取引です。

 

輸出企業は会社予想をする際に、想定される為替レートを決めて予想を組み立てていきます。そのため、どの取引には為替予約を行い、別の取引には特段の予約行為は行わないなど、その時々の需給や市況によって企業ごとにヘッジをかけています。

 

日本の輸出企業に投資する場合、為替のリスクはその企業が色々考えてヘッジをかけていることが多いので、敢えてこちらでは為替のリスクをそこまで考えなくても良いでしょう。

 

さて、この為替予約ですが、コストがかかります。ヘッジコストといい、これは自国の短期金利と相手国の短期金利の差がそれにあたります。自国の金利よりも相手国の金利が高ければ、それはコストになるのです。

 

例えば日本の短期金利が0%として、アメリカの短期金利が2%だとすれば、ヘッジコストは2%ということになります。

 

国債券に投資を行う場合、金利は高いけど為替のリスクがあるから結局魅力的に思えない。そうだ、ヘッジをかければ良いんだとなるのですが、外国債券の金利が2.5%であった場合ヘッジコストが2%かかるので実質の利回りは0.5%になってしまうわけです。

 

投資信託も同じです。債券ファンドの場合、ファンドの保有する債券の平均利回りが4.5%だとしましょう。ファンドはこの平均利回りを強調してこのファンドはこんなに利回りがあるんだと主張しますが、信託報酬は平気で1.3%くらい取ってくるところが多いです。

 

さらにここに為替ヘッジをかければヘッジコスト分も信託報酬と合わせて利回りから差し引かれるので、実際の利回りは1%をきるくらいということもあるのです。債券売買の方で損失が出たら目も当てられない運用結果になるでしょう。投資対象が日本よりも金利が低ければ逆にヘッジプレミアムといって手数料が入ってくるのですが、金融商品で日本よりも金利の低い先に為替ヘッジをかけるものはないのでその点はあまり考えなくても大丈夫です。

 

以上、為替ヘッジの説明でした。ヘッジコストを上回って為替が円高に推移すると判断される場合に為替ヘッジありの投資信託を買うようにしてください。