ROE
企業の財務分析に使用される代表的な指数の一つであり、企業が自己資本を使ってどれだけの利益を生み出したのかを調べるものです。
バフェット氏もこの数値は重要な指標であると話しています。アナリストは一般的にEPSがどれだけ伸びているか、コンセンサスよりも良いかを意識しますが、EPSは一株あたりの当期純利益を指し示すわけですが、この数字は単純に数値の大小だけではかられるものではありません。
EPSの計算方式は【当期純利益÷株式発行総数】ですから、自社株買などをして株数を減らせば単純にEPSは上がります。ただ分母を減らしただけなのでこれを成長したとは言えないでしょう。これは逆も然りです。
また前期の利益を内部留保に回す場合、EPSが10%上昇しても、内部留保も10%上昇するなら実質ベースでは特に何も変わっていないことになります。
ですので、バフェット氏はあくまで企業の自己資本でどれだけの稼ぎが出せるかを意識するべきだと考えているわけです。
ROEの求め方ですが、
【売上高純利益率(当期純利益÷売上高)×総資産回転率(売上高÷総資産)×財務レバレッジ(総資産÷自己資本)】
により求めることができます。
ただここで少し補足しておきますと、バフェット氏は当期純利益ではなく営業利益で計算するそう。理由は当期利益の場合常時発生するわけではない資産売却損益や特別損益が含まれてしまい事業の実績以外のものが入ってきてしまうからだと言います。
業種によって数値の平均はまちまちなのでこの数字こそが絶対というわけではありませんが、バフェット氏は15%以上のROEを出す企業を目安としているようですので、購入銘柄を選ぶ際にROEを活用する場合は、目安として15%という数字を意識してみてはいかがでしょうか。