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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

効率的市場仮説

投資信託の世界にはアクティブ運用とパッシブ運用があります。

 

アクティブ運用を行う投資信託をアクティブファンド、パッシブ運用を行う投資信託をインデックスファンドと呼んで分けて言います。これら両者の主張は昔から行われていますが、統計では長期になればなるほどインデックスファンドが勝つと示されています。

 

パッシブ運用のメリットとして理由に挙げられるのがこの効率的市場仮説です。

 

ものすごいざっくりと説明しますと、市場で取引されている株価というのは、あらゆる企業の情報や材料を瞬時に織り込んで形成されているため、企業分析などしても意味はなく、今の株価がその会社の正しい株価なんだということです。

 

実際は政治的要因、投資家の心理的要因などが相まってその限りではないのですが、ただ市場は概ねそのように動くとは言われています。要するに、アクティブ運用はその織り込まれていない株価を狙って売買を行い高い収益を狙うもので、パッシブ運用はその理論から分析なんてしないで市場全体に投資した方が効率的だというものなわけです。

 

実際には、アメリカでも日本でも、大体の投資信託は長期ではインデックスファンドが勝っています。特に最近ではコスト意識が強まっており、ネット証券であればアメリカの先進的なETFにも引けを取らない低コストファンドが生み出されており、ますますアクティブファンドは不利になっていると言えます。

 

ただ、そもそも論としてアクティブファンドが叩かれているのは、販売会社や運用会社に有利になるように作られているからだと思います。今やネット証券では大半の投資信託をノーロード(購入手数料無料)で買い付けできます。これは購入の際に人件費などがかからないからです。それに対し、銀行や証券の窓口では平気で3%くらいの購入手数料を取っています。また年間に日割りで引かれている信託報酬も、インデックスファンドでは0.1%台まで小さくなってきているファンドが出てきていますが、アクティブファンドは1.8%取るのはザラです。

 

銀行や証券は手数料ビジネスなので、手数料の取れない商品を極力販売したがりません。窓口にはあまりインデックスファンドはラインナップになく、あっても購入手数料を取って信託報酬も高めなものを揃えています。

 

アクティブファンドはインデックスを上回るのが目的であるはずなのに、大半がそれを達成できていないのが現状です。つまり、高い金払っている割に払ってない商品よりも利益が低いのです。そりゃあ叩かれますね。

 

効率的市場仮説通りであれば無駄な経費はかけず市場全体に投資をすれば大きな利益は取れずとも無難に投資を成功に導けます。バフェット氏も自分が死んだらその資産はS&P500のインデックスETFに投資しろと支持しているくらいです。最高ではないが無難な投資法だと思います。

 

ただ、それよりも企業をしっかり分析して集中投資を行った方が素晴らしい結果を出せるとバフェット氏は言います。