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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

株式市場の動きや金利の上下はノイズに過ぎない

最近、ソフトバンクグループの会長兼社長である孫正義氏が発言した言葉であります。

これと同じようなことはよくバフェット氏も語られています。

 

彼らのような長期目線で投資活動を行う投資家にとって、短期的な株式市場の動きやマーケットニュースは瑣末なものに過ぎません。そもそも短期的な変動はヘッジファンド個人投資家などの投機的な売買によるものであり、その行動自体は企業分析の上で行われていることではなく、株価だけしか見ていないのです。

 

長期投資家はまず事業の将来見通しを分析し、将来価値を割り引いて現在の株価が割安かどうかを判断する。そこに政治的、経済的影響をそこまで考慮しません。そもそも彼らは今後の金利がどうなっていくか、景気はどうなっていくかによって売買の判断を決定しません。

 

一個人が全世界の意思を予想しようなどとそもそも不可能です。世のアナリストは証券会社の利益のために証券分析をしています。アナリストは数多くの分析と市場動向を把握し将来を予測しますが、一体どれだけの人が予想を的中できるでしょうか。また、彼らの言うことが全て正しいのなら損する人なんて出てこないでしょう。

 

マーケットニュースを読むとわかりますが、株価の動きを説明する際にいかにもらしい説明を加えます。米中問題が深刻化する懸念によって株が売られた次の日に米中問題の解決期待から株が買われた、などと株価が反発した理由を述べます。こう言った事例は数多ありマスコミやメディアの無価値さがよくわかります。言ってる本人も本当のところどうしか株価がそう動いたのか分かっていないものです。

 

明日上がる銘柄は、などと言われても誰もわかりません。博打以外の何物でもないです。ですが、5年後までに上がる銘柄なら、企業分析をしっかりこなすことである程度見つけることはできるでしょう。どうしても投資で利益を得るためには時間が必要なのです。

 

市場は期待で上がり失望で売られる躁鬱な世界です。利下げを勝手に期待して株を買っていき、利下げがされなかったからと言って株を売るのです。今も昔も株式相場なんてものはこんなもので、気分屋に振り回されているのと同じことです。

 

損失を招く大きな原因は心理的要因です。気まぐれ相場の影響で自分の資産価値が減少することに耐えられない人間は脱落していきますが、長期的にしっかりと稼いでいる企業の株式を保有していればそもそも大統領の発言だとか中国の動きだとかに惑わされなくなります。世界情勢を心配なんてしなくても、投資した企業は明日もビジネスを行なっているのですから。

 

孫正義社長が金利や市場の動きなんてノイズだと言っているのはそう言うことです。バークシャーハサウェイも経済動向で投資の可否を決断したことはないと言います。投資をするのであれば、あくまで目を向けるのは企業だけに集中することをお勧めします。