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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

信託報酬だけで判断してはいけません。

信託報酬とは、

運用が成功しようと失敗しようと我々の賃金はいただきますからっ!」というものです。

 

 

 

信託報酬は手数料の自動収集システムですよ!

 

投資信託は銀行や証券会社にとっては美味しい商品です。何故なら、お客様が投資信託保有してもらっているだけで何もしないでも手数料が入ってくるからです。この楽して儲ける仕組みが信託報酬なのです。

 

投資信託はその名の通り、投資を運用会社に信用して託すことですが、運用会社も人件費など色々なコストがかかりますからどこかで手数料を貰わなければいけません。

 

投資信託を販売する会社もその後のアフターフォローや確認書類作成などでやはり経費がかかるので、その手数料を取ろうとしてきます。

 

資金を管理しているのは信託銀行なので、信託銀行にも少しながら手数料を支払う必要があります。

 

これら全ての負担を商品を買ったお客さんに支払ってもらおうとするのが信託報酬なのです。しかもこれは日割りで引かれていきますので、保有する期間が長い程、どんどんと手数料は取られているんですね。

 

例えるなら、ネット通販でクリスタルガイザーを48本頼んだら、ちょっと潰れた段ボールが宅配業社から届いて、不安になって中を開封したら2〜3本潰れてお水が漏れていた。そんな状態であったとしても送料は払わなければいけないのに似ていますでしょうか!?

信頼してお願いしたいにも関わらず、それが良い結果を生まなかったとしても手数料は払わなければいけない理不尽さ、これが信託報酬なのです。

 

 

だからと言って信託報酬は低ければいいというものでも無い?

 

信託報酬は少ないに越したことはありません。昨今の手数料引き下げ合戦もあり信託報酬の少ないインデックスファンドは人気です。あくまで指数に連動するように運用するため人件費などがかからないので手数料を抑えられるんですね。

 

しかし、ここで注意勧告をさせていただきたいです。それは、何でもかんでもインデックスファンドにしておけばいいわけではないということです。

 

はっきり言って、海外株式に投資をする場合はインデックスファンドを選んだ方が賢明です。特にアメリカは資本主義が最も進んでいる国ですし、非常に合理的な国です。アメリカの会社は株主の発言力が大きいので、企業の経営者は常に成長し続けることを強いられます。

 

今期は前期と比べてこれだけ稼ぎました! と株主に主張して満足してもらえなければ非難され株を売られ自社の評価が大きく下がってしまう可能性がありますので、なんとか頑張って常に上を目指していくハングリーな経営者が多いのです。

 

これに対し、日本の経営者はほとんどがサラリーマン経営者です。つまり、元々サラリーマンだった社員が抜擢されて経営者の席のつくことです。この場合、彼らは自分たちの番の時は失敗して今後に大きな悪い影響を残して後ろ指刺されないように、無難に任期をまっとうしようと考えます。

 

これにより、その会社は今までと同じようなことしかせず、成長し続けるような意識を見受けられないので、業績も伸びていかず、結果として株価は停滞しがちです。特に大企業にその気が強く、大企業だけで構成される日経平均株価TOPIXなどはそういった成長する気のない大企業の影響を受けたりもします。

 

株価はあくまで企業の成長に収斂します。

 

株価というのものは、短期的には政治的、経済的、自然災害や根拠のない噂でさえ株価は変動しますが、最終的にはその会社の業績に収斂します。つまりしっかり成長し続ける企業の株式を保有していればちゃんと利益は出るんです。

 

モーニングススターという投信情報会社がありまして、そこのHPではファンドのランキングを掲載しています。ここで10年間の国内株式型と国際株式型のランキングを表示させてみて下さい。

www.morningstar.co.jp

 

2019年11月30日付のランキングを見ればお分かりだと思いますが、海外株式ファンドではナスダックやNYダウのインデックスファンドがトップクラスに入っていますが、国内株式の方では一つもランクインしていません。これは、日本の大企業は成長性が弱いため株価が上がりづらいことを表しています。

 

国内株式インデックスファンドはほとんどが日経平均株価TOPIXを参照指数にしています。いずれも大型株の割合が高く、相対的に株価上昇はあまり良くありません。こういう場合、信託報酬はかかってしまうかもしれませんが成長性の高い株式に投資をするファンドを選ぶというのも手ではあると思います。

 

海外株式ファンドに投じるのであれば、よほどのこだわりがなければインデックスファンドにしてしまって良いと思います。アメリカであればNYダウ、ナスダック、S&P500などです。

 

また先進国をまとめ買いするインデックスファンドであれば、MSCIコクサイインデックスという指数を活用したインデックスファンドが主流です。こちらは先進国の時価総額の大きい順なので大企業だけではありますが、海外では大企業でも成長力がある企業も多いので中長期的に運用を続ければしっかりと利益を得られるはずです。

 

まとめ

 

海外株式に投資をするなら信託報酬の少ないインデックスファンドを買いましょう。

日本株式に限定するなら信託報酬はかかっても運用の上手いアクティブファンド、或いは個別に日本株式を買うことをお勧めします。

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