The LOP REX-hatena version-

地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

株価の変動を気にしなくなる相場との向き合いかたをお伝えします。

投資信託や株式を運用しているとき、時価評価額を頻繁に調べては買値からどれくらい上がったか、もしくは下がったと知って嬉しくなったり不安になったりしていませんでしょうか?

 

そんな事を繰り返していると、次第に上がればいつ下がるのかと不安になり、下がればどこまで損失するのかと不安になり、結果どちらにせよ不安になり心が疲弊して最終的には嫌気が差してしまいます。

 

まず結論から言いますと、。そう考えてしまうのは、ギャンブルをしているからです。

 

これを投資の神様と言われるウォーレン・バフェット氏はこう断じます。

買おうとしている資産の将来の利益ではなく、価格変動に注目しているのならば、それは投機です 。

 

投資とは、将来の成長に期待して先んじて資金を投ずる行為のことを指します。

 

成長というのは、1ヶ月後どうなっているかではありません。1年後でもまだ早すぎるでしょう。成長の結果なんてものはすぐにはわからないはずです。その間、市場では世界中の人々が売買を繰り返しているので日々値段は変動しています。

 

でも、その変動というのは売りたい人、買いたい人の需要と供給の間で価格が動いているだけです。成長とはなんの関係もないです。アメリカの大統領が何かしらの発言をしたとか、中国がそれに対抗したとか、ヨーロッパのどこかの国の選挙で予想外の人が代表になったとか、そんなものが理由です。

 

市場の価格の変化の理由なんて、下らないものばかりです。数年前にデング熱が話題になったとき、代々木公園で駆除が行われたのですが、この時はフマキラーやアースの株価が急騰しました。また、とある音楽ゲームアプリのダウンロード数が累計で◯◯数になりました! とのニュースが発表になっただけで株価が急騰したこともありました。

 

ポケモンGOが配信開始になったとき、先行していたアメリカではかなりの人気ぶりになっていて、これから日本でも配信開始するというとき、これだけの人気であれば任天堂の業績にも大きく影響するのではとの憶測で任天堂含め関連銘柄が急騰しました。結局ポケモンGOの製作会社にはライセンス供与しかしていないので、その分の利益しか入ってこないと任天堂のIRで発表されその後急落しました。

 

これらは結局一時的な急騰で、数日後には急落して株価を戻しました。日々の株価の値動きなんてものはこのようなどうでも良いような理由でも変化しています。いずれも会社の業績や成長にはあまり関係しないことが明らかになったからです。

 

 どうですか? 日々の株価を調べることなんて馬鹿らしくありませんか?

人生は一度きり、同じ時間は二度と返ってこないのに、株価なんてかじりついてる場合じゃないと思いませんか?

 

会社は日々利益を出して、それを株主に還元します。これはつまり、投資をされている方の代わりにお金を稼いでくれているということです。この考え方は重要です。ほとんどの方がこの部分を間違えています。なぜ株式会社に投資をするのか、それは

 

自分の代わりにお金を稼いではその一部をバックしてくれるからです。

 

バックする方法はいくつかあります。配当金と言う形で直接お金をくれることもありますし、自社株買いと言って出回っている自社の株式を買い戻すことで株価を上げることもあります。いずれにせよ株券を保有されている方にはメリットがあります。

 

どうして株式を買うのか。それは株価が値上がりしたら売るためではないのです。もちろんそれも利益を出す方法の一つですが、それはギャンブルであって投資ではありません。あくまでお金を増やす手伝いをしてもらうためです。

 

その会社がちゃんとお金を稼いでバックしてくれる限り、そもそも株式を売却するなんて必要はないのです。むしろするべきなのは買い増しでしょう。株式会社は株主に為に稼いでいるのですから、しっかり利益を出し続けている会社ならむしろ買うべきです。

 

いずれ新たに買い増すとなれば、今の価格変動が大きく違う意味をなしてくることに気付きませんか。今までは上がれば嬉しい、下がれば悲しいだったのが、上がれば悲しい、下がれば嬉しいに変わるのです。だってまた買うのであれば、安く買いたいですから。

 

そうは言っても下がったら嫌だ! という方へ、バフェット氏のとあるクイズの話を引用してご案内します。

皆さんは生涯を通してハンバーガーを食べたいと考えましたがご自身では家畜を育てていません。この場合、牛肉の価格は上がって欲しいでしょうか。また車を買おうと思っても自動車メーカーに勤めていない場合、車の価格は上がって欲しいでしょうか。 もちろん答えは自明です。さて、最後の問題です。みなさんがこの先5年間にわたって蓄えを増やしていくとします。あなたはその間株式市場には値上がりして欲しいですか、それとも値下がりして欲しいですか?

 

証券会社が売買を勧めてくるのは、売り買いするときに発生する手数料が欲しいからであって、その会社の将来の業績が大きく悪化する見通しに気づいたわけではありません。証券マンにそこまでの分析力はありません。断言しても良いです。ただズブの素人よりは相場慣れしているので短期的な動きを読む力がある営業マンも中にはいるでしょう。いずれにせよ根拠のない博打ですが。

 

お客さんも損する為に買ったわけではないですから、ある程度の利益が出れば売りたいという気持ちも出てきます。微益でもとりあえず増えていれば良いやと思い売却をしてしまいます。その後に待っている手数料と税金で利益を大きく削られてしまうにもかかわらず。そしてまた新たな株式を勧められて手数料を改めて支払うのです。

 

株式は頻繁に売り買いするためのおもちゃではありません。その会社の成長や将来に期待して資金を預け、企業が利益を出し続ける限り株主に還元をする資産形成プログラムです。それ故に企業選びはしっかり選ばないといけません。10年20年としっかり稼げる企業に投資をしないとそれもまた失敗の理由になってしまいます。

 

投資は簡単なものではありません。学校で投資の勉強をしてくれるわけではないので、全て自分で学ばなければいけないのです。そこで間違った知識を覚えてしまうと痛い目にあってしまいます。

 

最後にまとめとして言います。

 

株価の動きを気にしていると分かった時は、自分はギャンブルをしているんだと理解してください。

f:id:Elsyu:20200101223801j:plain