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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

『外貨建て保険』にご注意を!

皆さんはよく聞いたことがあるのではないでしょうか、ここ数年と銀行や証券会社が販売に力を入れている商品、その一つが外貨建て保険です。

 

通常、保険という商品は、万が一が発生した時のために備えておくもので、少ない元手でそれなりの保険金が支払われるというところが基本です。死亡保険、ガン医療保険などが当てはまります。

 

しかし、外貨建て保険というものはそういった類の保険とは全く異なります。まず元本保証はありません。よく保険各社のパンフレットには外貨での元本保証と苦し紛れに書かれています。あくまで保証されているのは外貨建てですので、海外で出金できるならまだしも、解約して最終的に円に両替しなければいけない場合はどうしても為替を気にする必要があります。

 

当たり前ですが為替相場が契約時よりも円高に推移していれば為替差損が発生しますので円ベースでは損失となります。外貨建てで保証されてはいますが、円保証がされている保険は少ないです。

 

保険と謳ってはいますが、要するに外債を保険にパッケージしたものです。終身保険の場合は契約者を被相続人、保険金受取人を相続人に指定することで相続税控除の対象にすることもできます(相続税法第12条参考)が、ぶっちゃけメリットはそれくらいです。

 

手数料も安くはありません。いずれの外貨建て保険にも存在するのは為替手数料です。基本的にこの手の類の保険商品の対象通貨は米ドル、豪ドル、ニュージーランドドル、ユーロあたりです。ユーロは現在ほとんど金利がつかないので契約する意味を持っていません。

 

いずれの通貨も基本的には片道50銭です。解約時にもこれはかかるので実質1円の手数料が発生します。また、これは種類にもよるのですが契約時にまとめて手数料を先払いで頂戴する保険と、販売手数料はない代わりに解約控除が大きい保険があります。どちらもどちらがいいと言えるものではなく、どちらも無視できない手数料率です。

 

全ての外貨建て保険がこの手数料というわけではありませんが、とりわけ銀行などで扱っている保険はどれも目一杯の手数料を徴収していきます。それはそうですね、自分のところにたくさん手数料が入ってくるから保険なんて売っているのですから。そうでなければどこもわざわざ保険商品なんて売りません。

 

このブログでは個別の保険商品を取り上げて良いところ、悪いところを見ていきたいと思います。