The LOP REX-hatena version-

地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

外貨建て保険「おおきな、まごころ」

三井住友海上プライマリー生命が提供する外貨建て保険で、終身型運用保険です。この商品は初めの3年間、段階的に死亡保障が増えていきます。勿論外貨建てですが、同社の他の終身型と比べるとより保険に近い商品と言えます。

 

3年間については外貨建てで増加の契約ですが、円建てでは預けた分を保証するという特約もつけられます。この辺り、為替リスクを怖がる顧客に対しては売りやすく魅力的に見えるでしょう。つまり、よほど為替レートが円高に推移しなければ大損するリスクは低減できるわけです。

 

外貨建て保険お決まりの目標設定型であり、解約控除込みで目標値まで円換算が増えればその時点で円に両替を行い円建て終身保険に切り替わる仕組みは健在です。

 

この保険のメリットとしては、死亡保障が外貨建てで3年間で増えていき、以降は高い死亡保険として残しておけること、また目標値に達した場合は利益確定して解約して手元に戻すこともできるということです。

 

勿論、あくまで死亡保障の保険なので基本的には増やして使うというものではありません。要介護2レベルになれば介護保険として受け取ることもできますが、これはおまけ程度な機能と思っていいでしょう。少なくとも銀行員が介護推しでこの保険を勧めることはほとんどないでしょうから。

 

勿論のようにですがデメリットは為替リスクは当然ですが、長期間積立利率が見直されない、つまり更改する期間が長いため、将来海外の金利が上がっていく場合にはこの商品は不利になります。ただその場合は金利上昇による通貨価値の上昇も見込めるので、為替レートが円安になれば目標達成して円建て移行も可能かもしれません。

 

ですがこの商品はあくまで死亡保障型なので、そもそも目標達成したら円で受け取れますよ、というのは商品性として間違っています。それをするなら米国債でも買ったほうがいいでしょう。残すことを主軸におくのなら一定のラインで死亡保障が止まってしまうというのはデメリットで、それならば同社のしあわせ、ずっとの方が長期的には外貨ベースでの受取額は大きくなるでしょう。

 

あくまで顧客意向に沿ったものを提案しなければいけませんが、果たして販売する側にそこまで考慮して商品を販売する倫理があるかは担当者次第といったところでしょうか。