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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

消費者物価指数(CPI)を知ろう。

消費者物価指数という言葉をご存知でしょうか。

 

これは総務省が毎月発表している全国の世帯の商品の小売価格の変動を指数化したものです。

 

国民の生活水準を示す指標とされているため、経済の体温計とも言われて重要な指数です。前回実質金利名目金利、購買力のお話をさせていただきましたが、投資を行う理由としてこの指数は大事です。

elsyu.hatenablog.com

 

お金の物を買う力のことを購買力と呼び、これは物価の変動との影響が強く影響します。手元にある100万円は、たとえ10年経ったとしても同じ100万円ですが、その購買力は同じではありません。

 

今でこそあまりテレビなどでも使われなくなってきましたが、現在も日本はアベノミクスという名のもと大胆な金融政策と銘打って舵取りをしています。そのうちの一つに2%のインフレ目標を掲げています。これは、前年度よりも物価を2%ずつ上げていこうという目標です。

 

これはもちろん消費者物価、つまり我々が普段買い物をする商品の値段も2%ずつ上げていくよということです。最近ますます生活が苦しくなっているという声を聞きますが、これはそもそも国が物の値段を上げているというのも理由としてあると思います。

 

実際の達成率はさておき、政府や日本銀行がこの国をインフレにするために物価をあげようとしていることは事実であり、国もこのことを明示していきました。これからこの国は物価を上げてインフレに持っていくから、各自自己責任にて投資や資産運用を行なって資産価値を目減りしないうようにしてくださいと謳ってきたわけです。

 

NISA関連もiDeCoもそのために誰でもできるように整備して、色々投資し易い環境を作ったのであとはどうぞお好きにやってください、というわけです。投資もせず資産価値を向上させる努力をしなかったのはあなた方でしょ、と国は言いたいわけです。

 

例えば100万円を定期預金に預けていると、今は大体の銀行では0.01%なのでつく利息は100円です。面倒なのでここでは税金関係は割愛しますが、1年後に100万円は100円しか生み出しません。

 

しかし物価目標は2%ですので、実質金利上では-19,900円の購買力の損失になります。お金の力が弱まってしまったので、今まで買えたものも物価の上昇についていけず買えなくなってしまったというわけです。

 

投資なり資産運用の基本はこの物価上昇に勝つことです。お金の価値を守るためにはどうしてもこう言った運用が必要になります。インフレしていた昔のように日本の政策金利も高かった時代であれば預金しているだけでもある程度の資産価値を守ることはできましたが、現在は物価は上がっていくのに対し金利は0というスタグフレーションな状態です。

 

投資をしなければ確実に資産価値は目減りします。消費者物価指数は気候変動などの影響を受けやすい生鮮食品を除いたコアCPIや、エネルギー関係での物価変動も除いたコアコアCPIなどもありますが、いずれも2009年の終わりを境に上昇してきています。

 

今後も引き続き日本はこの物価上昇を目指してインフレ目標を掲げていきます。つまりはこれからもものの値段は上がり続けるということです。世間では賃金上昇に耐えられず人を雇えず倒産する会社も増えています。賃金上昇なくして物価を上げてしまえば経済は悪循環を繰り返すばかりです。

 

私たちの保有しているお金や資産の価値はただ何もしなくても上がっていくことはありません。自らが資産価値を高めてこれからの政策に対抗するためにも、投資はやりたい人がやるのではなく誰しもがやらなければいけないものなのです。

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