The LOP REX-hatena version-

地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

ひふみ投信やレオスキャピタルさんも他の運用会社と似てきたなあ、という印象。

ひふみ投信で知られるレオスキャピタルさんですが、来月から新たに海外株式市場をメインターゲットとした投資信託、「ひふみワールド」の運用を開始するそうです。

 

ひふみ投信といえば、元々レオスキャピタルさんが直販していた日本の中小型の企業の株式に投資するアクティブファンドとして、運用成績が良いことで有名なファンドでした。

 

その後販路を広げるため、銀行や証券会社でも販売できる姉妹ファンドであるひふみプラスを作り、運用資産を広げていきました。2016年にはテレビでも取材され大きく世間的に認知度が向上。それから加速度的に純資産額を増やしていきました。

 

中小型株効果というものがあります。株式売買をしている人であればよく知られるもので、簡単にいえば時価総額の小さな会社に投資をすると、統計的には時価総額の大きな会社に投資をするよりも利益を拡大できるというものです。

 

相場のアノマリーの一種として説明されますが、一般的には規模の小さな会社が売り上げ10倍になることはそこまで難しくはないが、すでに大企業である会社の利益が10倍になるのは難しく、株価は会社の成長に最終的に比例していくので利益を上げ易いというわけです。他にも色々とこの効果の説明はありますが、要するに小さい会社に投資すると相対的に儲けがでかくなり易いということです。もちろんこれは絶対的なことではないですが。

 

ひふみ投信はそういったこれからの会社に投資をすることで順調に利益を伸ばしていきました。リーマンショック後に運用開始されているので目立った暴落に巻き込まれず日経やTOPIXの指数を上回ってきました。

 

しかし、テレビの効果もあり純資産が大きくなるにつれ、今までのような運用が難しくなってきてしまいました。小型株は規模が小さいので、大きな資本を入れるとそれだけで株価は上がってしまったりするわけで、そもそも全ての中小型株に投資するわけではないので、そうなってくると資産が余ってしまうんですね。

 

それで割安と判断される大型株への投資もせざるえをえなくなり、さらには日本国内に投資したい先がなくなってきたことにより海外の大型成長株にも投資をするようになりました。

 

結果的に昔のような中小型株運用が困難になり、直近での運用成績の低迷につながっているものと思われます。この打開策として海外株式投資をメインにした別の投信を作り、そちらに資金を移動してもらおうという考えに至ったのでしょう。

 

どういった運用をしていくのかは現時点では分かりませんが、信託報酬が1.48%というのは強気かなとは思います。既にインデックス業界は信託報酬の引き下げ競争を行っており、MSCI KOKUSAIインデックスを指数とする海外株式インデックスの信託報酬は0.1を下回っている状態です。

 

アクティブファンドとしてはインデックスのコストと比較するのはどうかと思いますが、顧客としては14倍の手数料を取って、どれだけの見返りがあるのかというのはきになるところでしょう。長期的にはアクティブはインデックスに勝てないという統計もありますし、どんな運用結果を残していくのかは結構気になってたりはします。

 

ただ、直近では日経平均株価にも負けているような状態であることを考えると、証券系の運用会社よりは良いかな、という印象になってしまっているのは確かで、今後の活動は気にさせてもらいたいなと思っています。