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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

お金をめぐる冒険

これは、私がお金に関する今までの学びを得ていく経過を記録したものであり、主に自分が読み返して知識を整理するために書く記事になります。それなので、他の方が読んでも面白くないかもしれません。ただ、色々な本などのエッセンスをまとめているため、マネーに関する自己啓発系の書籍を買わずして著者の方々の主張を知ることが出来ると思います(前編は自分の経緯で、後編にその辺りの話を書きます)。

 

私がその昔最初に株式に手を出した理由は、可及的速やかにお金を増やしたかったからでした。別に借金があるとか止むを得ず手を出さざるを得なかったわけではありません。単純にお金がもっとあれば色々なものが買えるし、色々なところに行けるし、不自由なく生きていけると思ったからです。

 

何の知識もないまま証券会社の口座を開き、初めてで怖かったのでまずは手始めに10万円くらいで始めようと思い、入金し、とある東証一部の株式をとりあえず買えるだけ買いました。

 

その時、その株式は頻繁に売り買いされており、損益がリアルタイムで増えたり減ったりしていました。私は自分のお金が簡単に増減するその姿を見て怖くなり、すぐに売却しました。

 

その結果、評価益で1,600円だったと思います。たった10分くらいの出来事でした。たったの10分で1,600円儲かったのです。1円パチンコでは10分でこれだけ儲けることは不可能でしょう。何も苦労せず、ただ買いと売りのボタンを入力するだけでこれだけ増えたのです。

 

1,600円あれば何が出来るでしょうか。それだけで1日の食事代を賄うことも可能です。それくらいのお金が入ったのです。これは感動ものでした。

 

しかし、その後やってはいけないことをしでかします。これは初心者によくあるパターンなので真似しないでいただきたいのですが、10万円で1,600円儲かるなら、100万円だったら16,000円だったじゃないか、と考えたのです。これは身を滅ぼす考え方なので絶対に同じようなことを考えないでください、私の二の舞になりかねません。

 

ビギナーズラックでしかないにもかかわらず、私は次第に多くの資金を注ぎ込んで売買を重ねるようになります。掲示板の話題から銘柄を選んで売買したりもしました。ストップ高になりそうな銘柄を買ったりしました。一回の取引にかけるお金も大きくなり、損失をするとそれを取り戻そうとさらに大きな資金を一回の取引で使い、相場が軟調になると怖くなって損切りするという悪循環が続き、最終的には投資資金が半値になってしまいました。

 

その当時は全体の相場は上げ相場で、普通にそれなりの株式を買って保っていれば普通に利益を出せるような相場だったにもかかわらず、私はお金を半分失ってしまいました。これはまずい、このままではお金が無くなってしまう。普通ならそこで止めるようなものなのでしょうが、私はもっと勉強しなければと思うようになりました。

 

 やがて経済の勉強に及び、現代ポートフォリオ購買力平価から見る為替の役割など、色々学んだ後、最も無難な投資は世界に幅広く分散する株式インデックスファンドを長期保有すること、に至りました。

 

個々の国々はGDP成長率も違いますし政治経済の違いにより、どこかの国は良くてもどこかの国は悪いう感じで、しかもそれは時期によってどの国が良い悪いは変わっていくのです。しかし、世界全体で見ればおおよそ3%程度の緩やかな経済成長を行っていると統計が出ています。それなら、いろいろ考えなくても世界全体に分散投資をして仕舞えば良いという判断ができるわけです。

 

 投資の指針としているウォーレン・バフェット氏も素人でも大半のプロに勝てる投資法として、手数料の極力かからないS&P500のインデックスファンドに定期的に積み立てて投資し続ければ良いといった話をされています。私はつみたてNISAでこの投資を実践しています。

 

 最も無難な方法は分かった。でもそれはあくまで老後の資金とかそういったものを形成するための方法であり、今使えるお金を増やすためのものではない。私は今使えるお金が欲しいんだ、そう思いトレードの手法を勉強しました。いわゆる順張り(あがって入る時に買い、上がってるうちは保有し、下がりそうなら売る)をしてそれなりに利益は出ましたが、その期間私より利回りの良かった日本株式ファンドがあり、こっちに預けっぱなしにしていればもっと儲かったではないかと悔しんだものです。

 

 頻繁に相場を見て、株価やチャートの流れを調べて、企業の表面的な分析をして売り買いしても、手数料や税金で利益は持っていかれ、失敗すれば利益はあっという間に失います。手法もそうですが、このやり方は最も心理的要因に結果が左右されます。少しでも相場に心が負ければあっという間にお金は減っていきます。こういうやりかたは向かないな、とその時思いました。

 

その後、ウォーレン・バフェット氏に関する書物を色々読み、株式の分析や捉え方を学び、現在の考えに落ち着きました。 

 

投資の仕方は定まりましたが、そもそもどうしてお金が欲しかったのだろうかと思い直すようになりました。それからというもの、投資手法からお金とは何か、を考えるようになり、それは人生とは何かと繋がる命題なんだと分かるようになりました。

 

その後も色々な方の本を読みました。特に影響されたのはスティーブ・ジョブズホセ・ムヒカ元大統領、ウォーレン・バフェット堀江貴文氏、本田健氏などです。それ以外の書物からも色々な学びを得ました。

 

長くなったので続きは後編に分けさせていただきます。