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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

リスクを懸念されていないことが最大のリスク

利下げは一旦ストップになったとはいえ、世界経済の流れを注視して必要であれば都度利下げを検討すると発言したFRB。今後インフレ懸念が明確になる材料でもない限り利上げはしないとしています。日銀とは違い必要であれば実際に景気の中折れによる経済停滞が懸念される場合にはしっかりと利下げしてくるでしょう。

 

世界は再び金余り相場となり、大統領選挙も一年後に迫りトランプ大統領もここから先はより経済や市場環境に余り悪影響を及ぼす行為は控える可能性が高いです。米中問題がどのように纏まっていくかは引き続き注目の的ですが、基本的に金融政策的観点から株高の流れが強くなると見ている人が多いです。

 

日本株もここ数ヶ月しばらくは軟調で商いも薄かったことから買い直しの動きがみられ、日経平均株価は大きく上昇しています。ちなみに日本株を買い上げているのは海外の投資家勢であり、国内の機関投資家は利益確定の動きを見せているところもあります。

 

このような上昇トレンドが発生すると、アナリストは一転強気の発言が目立ってきます。現状では特段大きく懸念とする新たな材料は目立ってないと、躁鬱病のようにちょっと前とは全然変わった主張をするものです。これだからアナリストというものは信用できないですね。

 

ある米国の有名な投資家が著書の中で語っていたことですが、リスクは表面化されていない時が最もリスクの高い時なんだと。こういう書き方をしていたわけではないですが、行っていることはシンプルに逆張りの話で、「みんなが今が買い時だと騒ぎ株価が上がっている状態の時は、リスクが表面に出てきていないが、実はその時に株を買うことが一番リスクの高い取引であり、逆に今は株式なんて買ってられないとリスクばかりが表面化して市況環境が悪い時こそ、実は最もリスクが低いのだ」ということです。

 

これは投資を少しでもやっている方にはご理解いただける話だと思います。証券は時価が変動します。上がり続けることはないですし、下がり続けることはない。上がったり下がったりを繰り返しながら、企業の業績が良ければうねりながらも株価は下値を切り上げて上昇していきます。

 

上がったところで売って、下がった時に買いなおせば良いとは簡単にいえますが、これを実行するのは長年のプロでも難しいものです。相場は世界中の投資家の心理が集まって形成されるものです。それをただ一人の人間が予想すること自体がそもそも不可能なのです。

 

証券会社は短期的な市況で売り買いを勧めますが、よほどの営業員でもなければそのセールス話法にどれだけの信憑性があるかは甚だ疑問です。高値掴みをしたくなければ、株価が急落したときだけ買うか、はじめにドカンとかって以降はバイアンドホールドを続けるかです。

 

かのウォーレン・バフェット氏は纏まった資金をドカンと投資して、それ以降は余程業績に懸念がない限りは保有を続けるのが基本です。なぜそんなことができるのかというと、バフェット氏は自分で企業の業績から理論的な株価を計算して、自分の計算をアナリストや証券マンよりも信じているからです。

 

実際問題、アナリストや証券会社の発言を全て信じて取引をしてみると良いでしょう。

最終的にどれくらいの利益が残るでしょうか。一度試してみると人の言う事を鵜呑みにして自ら考えず売買を繰り返すとどのような結末が待っているか分かります。ここで敢えて具体的な事を書きはしませんが、賢明な方であれば試すことすら拒否すると思います。

 

専門的な知識と勉強をしてきたその道のベテランですら読み間違えるのがよくあるのに、一介の営業員が読めるものではありません。ですが営業員はこういった上昇相場ではこの先もまだ騰がると煽り買いを推奨してきます。ですがその発言は鵜呑みにせず、よく考えてその発言の妥当性を問うてください。裏にあるのは手数料が欲しいと言う意思ばかりだと分かりますから。