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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

テーマ型投資信託にはご注意を。

こんにちは。今回は投資信託について話をさせていただきます。

 

テーマ型投資信託という言葉をご存知でしょうか。

 

投資信託というのは読んで字のごとくですが、自分の代わりに運用をファンドに任せる商品です。少ない元手で多くの銘柄や商品に分散できることから、リスク低減を期待できる商品です。

 

投信にはアクティブ型とインデックス型があり、テーマ型はこのどちらにもありますが、日本の銀行や証券会社が取り扱っているのはほぼアクティブ型です。このうち、インデックス型のテーマ型はほぼETFでしか取り扱っていないと思っていただいて良いと思います。

 

そもそもテーマ型というのは、何かしらテーマに沿って運用する投資信託のことで、よくあるのは「5G」とか「自動運転」とかに関連する企業の株式に集中して投資しますというもの。

 

どちらの分野も今後の世界では存在感が大きくなる分野です。来年以降本格的に始まる5Gは通信関連のビジネスを大いに飛躍させる可能性があります。自動運転も高齢者の自動車事故が多発してきている現在において、一刻も早く実用化してほしい技術です。

 

こういった関連の銘柄に投資をしておけば、将来この技術を収益として投資先が大きく成長することで素晴らしい利益が得られるでしょうと期待して買ってもらうわけです。

 

ただ、注意しておいていただきたいのは、こういったテーマ型投信は本当にお客さん向けになっているわけではないということです。こういった商品は何よりも販売する側にとって都合が良いのです。

 

投資信託を販売する側からすると、投資信託の種類は数多く、また何が売りなのかよくわからない商品も存在します。営業員がその商品の良さを伝えられないのであれば、当然お客さんにも良さを伝えることができませんしお客さんも理解できません。

 

しかし、これが5Gや自動運転となればものすごく分かりやすいわけです。誰だってニュースなどで一度や二度は聞いたことがある単語ですし、どうして良いのかはなんとなく分かっているので、お客さんからも理解が得られやすいのです。

 

「これからは5Gの時代になります。この関連分野の企業に投資をしておくことで将来的に大きなリターンが期待できますよ」

 

そう言われれば、まあそうだよな、って思ってしまうのではないでしょうか。

 

もちろん、投資というのは将来成長する見込みのあるところに投資するわけですから、間違っているわけではないのですが、投資の世界ではすでにその時点で割高になっていることがよくあります。

 

5Gが今後主流になる、なんてことは今時小・中学生でもわかる話です。投資というのは、今後の成長性を期待して先んじて資金を投じる行為ですから、情報が表面化している時点ですでに多くの投資家は買ってしまっている後であることがほとんどなんです。

 

 とりわけ流行に乗って作られたようなテーマ型投信(例えば5G関連銘柄が強く買われているような相場環境時に開発された5G関連のテーマ型投信のようなもの)は要注意で、運用実績がないため本当に良いファンドなのか判断できないものがほとんどです。また、流行は早かれ遅かれ終わります。そのファンドが順調に基準価額や総資産を増やしていても、近いうちにピークが来る可能性が高いです。

 

流行銘柄は、その注目度から始めは将来性や業績見通しとか関係なく買われる傾向にありますが、いずれどこかで調整が入り、その後は各企業の業績に沿う株価に収斂していくのが普通です。

 

5G関連に投資したいのであれば、その中の業績や財務の良いところの銘柄をいくつかピックアップして買い付けた方が結果的にコストは低くなりやすいです。わざわざ3%の購入手数料を払い、その上で1.8%近い信託報酬を払う必要なんてないと思いますので、こういった投資信託を買われる際にはよく検討することをお勧めします。

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