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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

株式や債券は資産であって金儲けの道具ではない。

当ブログではこの主張をしつこいくらいに繰り返し掲げていく所存ではありますが、株式や債券と言ったものは、一般的には有価証券と呼ばれる物で、財産的価値のある私権を表章する証券と解されています。

 

大方の人は、株式投資などという言葉を聞くと、売り買いして利ざやを稼ぐギャンブル的な物を連想しがちです。これは偏にトレーダーや証券会社の回転売買を促す営業から結び付けられるようになってしまったのだろうと思います。

 

勿論、それ自体は間違っているわけではありません。株式には価格があり、それは平日の午前9時から午後3時まで世界中の投資家が参加して売買を行なっているので、その都度価格が変動しています。

 

そのため、安い値段で買い付けた株式を別の投資家に飼った値段より高く売りつけることができればその価格差が利益になります。この行為を繰り返して資産を増やしていこうとする者のことをトレーダーと呼びます。

 

彼らが見ているのは基本的に株価だけです。テクニカル分析を重視してタイミングを見て売買を行い、その会社の将来性や業績などは対して調べもしない人も多いです。あらゆる指標が存在しますが、ローソク足移動平均線を理解できていればある程度戦えるでしょう。

 

ギャンブル的な売買ではありますが、こういった短期取引も必要なのです。誰もが長期目線だと言って株式を売りもしなければ買いもしなくなってしまえば市場の流動性は低下してしまいます。

 

ただ頻繁な売買がその株価の本来の価値以上に価格を変動させてしまう原因なのは間違い無いでしょう。そのため日々株価は大きく変動し、一日に数%根が動くことはザラにあります。その動きをハイエナできるのであれば良いでしょうが、トレードで稼ぐことはお金を失う懸念と、成功できないかも知れない不安と戦い続ける強い精神力が必要です。当然ですがそこまでしても実際に成功できない人はごまんといます。

 

いわゆる投機の世界はエキサイティングですし楽しい世界です。お金を失ってもそれでも夢を欲望を持ってこの世界に挑んでくる人たちは後を断ちません。しかし、こう言った取引だけを株式投資とは言いません。というよりも、これは投機なので投資ではありません。

 

有価証券は財産的価値を有する証券です。それそのものが財産なのです。つまりは現金や不動産、家財と同じように扱うべき類のものなのです。これは大事なことなので何度も話していきたいことなのですが、株式や債券というものは、家や車やお金を同じベクトルで考えられるべき資産なのです。

 

本来のアセットマネジメントは自身の財産的価値を有する資産をどのように配分するかというものであり、株式の銘柄をどうするかということだけではありません。

 

重要なのは、この株式や債券という資産は自らが資産的価値を上昇させる力を持っているということです。ここは非常に大事なところです。とりわけ株式に適用される表現だと思っていますが、資産自らが自身の価値を向上させる力を持っているのです。

 

建物や車は基本的に値上がりしません。建物はこの国では年数によって価値が減少します。車もレアで希少価値のあるようなものが例外にしても、基本的に年数や走行距離で価値が下がっていきます。ロバート・キヨサキ氏の表現はこれは資産ではなく負債と呼びます。

 

土地も自らが資産的価値を向上させることはあまりありません。周辺地域の開発や線路が通るとか、別個の要因がないと資産価値は増えないでしょう。また不動産には固定資産税を支払う義務があるので、保有しているだけでコストがかかります。

 

これに対し、株式は決まった定価というものはないため価格は常に変動しますが、最終的にはその会社の業績に収斂していきます。その会社が今後10年成長し続けていく企業であれば、紆余曲折あってもその会社の株価は上がっていくのです。

 

金などの貴金属はどちらかというと、資産価値を守る力はありますが自らが価値を向上させていくわけではなく、受給によって変動するのみです。債券はお金を貸す代わりに金利を支払うというものなので、金利以上の価値はありません。

 

当ブログでは株式の話をメインにしていきますが、それはこのように「自ら財産的価値を向上させる資産」であるからです。個人的には短期も長期も株式投資をしてきましたが、お勧めできるのは長期です。ですので、株式を資産として扱いますし短期売買を促すような話はあまり出てこないと思います。

 

それでも、このブログを読んでくださる方に少しでも有益になるよう励んで参りたいと思います。