貧乏とは、少ししか持っていないことではなく、限りなく多くを求めることである
資本主義や消費社会で成り立っています。
なんていきなり小難しい単語を並べていますが、偉そうに経済を語りたいわけではなく、消費社会に流されないようにしましょうというお話がしたいです。
経済の基本ですが、お金が使われないと経済は回りません。今の社会の問題点の一つでもありますが、現在の日本では高齢者が資産をたくさん持っており、若者は相対的に資産を持ち合わせていません。
しかし、高齢者の方々はお金を使わず自分たちのところに留めているので市場に出回るお金の数が減り、それが日本経済を停滞させている原因になっています。しかし、お金を使わないことは悪なのか、また使うことは善なのか、これに関しては難しい問題です。
消費をしなければ景気は回らない。これは事実です。今の世界は人々が消費を行うことで経済を保っているシステムになっているので、残念ながらこれを否定することはできません。ですが、そのために行われていることは果たして良いのか悪いのかはよく考えなければいけないと思います。
メーカーは、一つの商品を大事に使ってくれることはありがたいでしょうが、それでは買い替えという新たな需要が見込めません。10年持ち続ける電球を作ることは可能ですが、それを買って仕舞えば10年は次の需要が見出せなくなります。
ならば、そのために安いけど早く寿命がくる電球を売ることは正しいのでしょうか。
代替品やバリエーションを作ってこういったものもありますよと別の商品も買わせようという行為は良いことでしょうか。
私は仕事で銀行や証券会社といういかにもお金や欲に近い世界で仕事をしていますが、顧客に新たな商品を提案して買ってもらうという仕事は何もこの世界だけではありません。営業の仕事はものを売る仕事です。これは需要のないところに需要を作り出す仕事でもあります。
私は仕事とは別にお金との付き合い方を学んでいますが、個人的にはお金を使うことがただの消費になってはいけないと思います。前回の記事で私は株式を買うときは10年20年先を見て買った方が良いとお話しましたが、これは他の商品に関しても言えることだと思います。
私はアップル製品が好きですし、アップルという株式は長期的に保有に適していると思いますが、だからと言って、毎年新製品を買い換えることはしません。AirPodsProは気になっていますが、手元にはAirPodsがあるし、別に今の日常生活でノイズキャンセリングがないと困るようなこともないし、そもそもカナル型は耳が痒くなるので今まで買ってこなかったので今回も様子見しています。
スマートフォンも毎年新しいものが出ますが、正直マイナーチェンジレベルが多いです。iphone11proなんかはカメラ機能を大幅に強化し、それに対応してチップやメモリやCPUも強化されていますが、カメラをあまり使わない人には買い換えるほどのメリットはないでしょう。
パソコンも毎年でますがそれこそ小さなアップデートです。掃除機は毎年吸引力が上がっていきますが、現状で既に満足していれば買い換える必要はないはずです。
何のためにお金を稼ぐのでしょうか。
来年の新しいスマートフォンやタブレットPCを買うためですか?
車やバイク、ハイブランドのバッグやおしゃれな服のためですか?
こういった物欲に支配されている限り、お金は溜まりっこありません。それどころかしばらくしたら型落ちのがらくたになる物を買うために自分の時間を切り売りして仕事するのですか。表題の言葉は古代ギリシャの哲学者であるエピクロスの言葉だそうです。
哲学の話をしたいわけではありませんが、お金は幸福のために使われるべきですが、物をたくさん買い込めば、今度は物の管理に時間や労力をかけなければいけません。ランニングコストもかかりますし、買い替えもしなければいけなくなるでしょう。そうやってお金がまた必要になるのでさらに働いて稼ぐしかなくなります。
特に好きでもない仕事をされている方は、もはや苦痛を背負い込むためにお金を使っていることになります。これは幸せのためにお金を使っているわけではありません。一時的には満足感を得られますが、その時だけです。
物質的な物を買うときは、可能な限りシンプルで、長持ちして、時を超えて飽きないような物を選ぶべきだと思います。新しいのが出たら欲しくなるような物ではなく、いつまでも大切に持っておきたいような物を選ぶ方がこの消費社会に対抗する方法の一つです。
株式も同じです。値上がりすれば利益を確定してさらに上がる銘柄を買いたくなる欲求が生じやすいです。相場が悪い時でもしっかりと持ち続けられる銘柄を絞って保有するべきです。