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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

怖れとお金には、直接の関係は無いと言う話

今、とある方の著書を読んでいるのですが、その中でぐさっと来るものがあったのでご紹介しようと思います。

 

どうしてお金があれば良いかについて、お金に対する怖れと不安のお話の中での一節です。この怖れや不安はほとんどの人の日常生活を脅かしていると言います。そのために人々はやりたくもない仕事を嫌々こなして、古臭い家に住んで、劣悪な人間関係にも耐えているのです。

 

不平不満を言いながらつまらない人生を歩んでいると、誰かが言います。

「今のままで良いの?」

「どうしてそんなに我慢しているの?」

「そんなに嫌なら辞めちゃえば良いのに」

 

別に意地悪でそう言うわけではなく、側から見ると心底そう思えるのです。辛い、つまらない、楽しくない、そんな事を言い続けながらもそこにとどまることが、あまりにも異常のように思えるのです。そして、それは当人でもわかっていることです。

 

変わりたい、でも変われない。

 

その原因は怖れです。変化を望んでいるけれど、それでいて変化することに不安や恐怖を感じるのです。変化していく中で、せっかくの安定を壊してしまうのではないかと。人は安心したい生き物です。つまらない日常でも、文句を言いながら生活していれば、ある程度日々をコントロールできます。

 

見慣れた光景や人間関係、すでに知っているからこそ安心できる。楽しみも面白味もないけど、それでもこの安心できる状態を崩したくない、そういった怖れが人を行動させる事を制限するのです。

 

そして、お金を言い訳にするのです。転職する際によく使われますね。

「やりたいことはあるんだけど、今はお金が無いから難しいんだ」

よく聞く断り文句ですが、ここの問題は、お金が無いことと行動出来ないこととは直接の関係はないと言うことです。

ハーブ・エッカー曰く、「お金がないから」を理由にする人間は、どれだけお金を持っても同じ事を言うのだそう。100万円しかないから出来ない、500万円しかないから出来ない、1,000万円しかないから出来ない。とどまる事を知りません。なぜならお金がないことが問題なのではなく、失敗する事を怖れているからなのです。

 

今の会社はやりがいもないし給料も低いし楽しくない。でも今の仕事を辞めて働き口がなくなったら生活はどうしよう。収入がなくなったら生活できなくなってしまう。転職活動もうまくいかなかったらやばい。

 

一見するとお金が問題のように見えますが、ただの責任転嫁であって、本質は失敗することへの恐怖が原因です。行動力がある人はこの辺り、見る前に飛ぶのでしょう。堀江貴文氏は悩んでいる時間さえ無駄だと切り捨てます。

 

未知の場所に行ったりやったことのないことに挑戦するのは誰だって不安です。怖いです。でもそれは挑戦しなければ永遠によく分からずじまいで怖いもののままです。でも挑戦してしまえば、それは全く知らないものではなくなるはずです。

 

人が恐怖するのはその対象がよく分からないからです。心霊現象然り、将来然り。

人生は分からないことだらけです。何が正解かなんて死ぬ時くらいにならないと分からないでしょう。しかし確実なのは死ぬことです。タイムリミットは人それぞれですが必ずやってきます。今こうしている間にも寿命は縮んでいます。

 

スティーブ・ジョブズは、今日が人生最後の時だとしたら、今やろうとしていることは本当にやりたいことなのか? と問いかけます。

ルパン三世は、一度きりの人生、怖いのは死ぬことじゃなくて退屈なこと、と若いヒロインに説きます。

 

途中色々と余計なことも語ってしまいましたが、要するにここで主張したいことは、自分の不安や恐怖をお金が無いことのせいにするな、と言うことですね。これは胸にしっかり刻んで生きていきたいものです。