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地方銀行と証券会社で働く筆者のお金にまつわることを発信するブログです。

何故長期的に証券投資をするなら株式が良いのか。

証券投資を行う際には、当ブログとしては株式を重要視しています。その理由を簡単に説明してみたいと思います。

 

証券投資をする際に、一般的に通常の個人が容易に購入できるものを大きく分類すると「株式」「債券」「投資信託」「コモディティ」に分けられるかなと思います。これらはいずれも証券会社にて扱っている商品群です。一部は銀行でも扱っていますが、銀行で扱っているものは手数料重視の商品が多いためよく検討する必要があります。

 

「株式」というのは、会社が資金集めを行い際に発行される証券です。会社を立ち上げる際や増資を行う際に発券されて、株式を購入した人は株主と呼ばれ、該当の会社に対して有限責任(投資をしている範囲内の責任を負う)を負う代わりに色々なメリットを享受できます。

 

「債券」は国や自治体、企業などが資金を工面するために発行する証券ですが、株式と違うのはあくまで企業に貸すのであって、発行体(債券を発行する国や自治体や企業のこと)は返済する義務を追っているということです。期間を決めてお金を貸すことになり、貸している間は金利を受け取り、満期がくれば全額返済してもらうことになります。発行体が債務不履行に陥らない限りお金は返してくれるので相対的にリスクは低いことになります。

 

投資信託」は多数の投資家から資金を集め、そのお金を運用機関が色々な投資先にまわし、その運用成果を投資家に分配する金融商品です。株式に投資をすることができる株式投資信託、株式には投資できない公社債投資信託、不動産の賃料収入の権利を証券化した証券にに投資する不動産投資信託(REIT)、東証に上場し取引時間中はいつでも売買できる上場投資信託(ETF)などがあります。

 

コモディティ」はいわゆる商品のことであり、石油、金銀プラチナのような金属、大豆やとうもろこしといったものに投資をする商品のことを指します。

 

この中で、長期的に投資をする際には株式が一番という点ですが、これは確定された資産的価値を持たないことがまず挙げられます。難しい言い方をしましたが、要するに決まった値段がないということです。投資の世界ではリスクのことは値動きの幅(変動性)を指しますが、このブログでは本来の意味での「損失を被る危険性」として説明します。

 

無リスク資産と呼ばれるものがあります。国債が代表的なものですが、ほぼほぼ確実に元本が保証された資産のことを指します。日本国民としては、日本国債債務不履行になるということはある意味日本の終わりを示すのに近いので国債は無リスク資産と捉えて相違ないでしょう。

 

リスクのある商品を運用する場合、それ以上の利益を期待するわけです。これをリスクプレミアムと呼びます。債券の場合は国債はリスクがないけど、一般法人が発行する債券は国債よりは債務不履行になる可能性が高いので、その分利回りの上乗せを期待するわけですが、こういったもののことを指します。

 

これが株式や商品、投資信託といったものはさらに危険性は高まるので、それ相応のプレミアムを期待されるため、利回りが向上するのです。

 

コモディティ」をお勧めしないのは、これらは受給によってのみ価格が変動するからです。売りたい人と買いたい人の差が価格を決定する要因であるので、コモディティそのものが時間とともに資産価値を自動的に向上させるものではありません。どれだけ長期間保有していても受給以上の価格高騰は期待できないのです。

 

「債券」はあくまで資金を貸し、その間に利息を払ってもらうものであり、基本的にそれ以上の利益は得られません。ただ債券にも価格があり、満期までの間は日々受給や金利などの影響で上下します。新発で発行される場合、債券は100円で発行され、償還時には100円で償還されます。その間は価格が変動するので例えば95円(アンダーパー)で買って満期まで保有していれば償還時には価格差のメリットも享受できることになります。債券は発行体が債務不履行を起こさない限り償還時に全額返済されるため、相対的に安全性の高い金融商品です。

 

「株式」も勿論東京証券取引所にて日夜売買が行われているので、受給によって価格の変動は起きます。しかしこれらが債券やコモディティと違うのは、この資産は自らで自身の価値を向上させる力を持っているということです。

 

株価というものは、受給によって価格変動は時に大きくおきたりしますが、最終的にはその会社の成長に収歛していきます。つまり会社がしっかりと利益をあげ、収益を稼いで会社を成長させていけば、最終的に株価も連れ立って騰がっていくのです。つまり、長期間保有していてれば、会社が成長し続ける限り株価も少しずつ上昇して利益を得られるのです。

 

勿論、そのためには長期に渡り企業が業績を上げ続けられる会社にのみ投資をしなければいけません。そういった分析をするのが難しい場合は株式投資信託などを使ってリスク分散しながら長期運用するのが無難です。

 

但し投資信託は基本的にインデックスファンドを選びましょう。日本には6000本近い投資信託がありますが、その大半は金融機関がいかに手数料を取れるかを重視した商品ばかりです。運用の成績にかかわらず毎年2%近い手数料を差っ引くファンドはたくさんあります。投資信託を買う際には、その辺りに気をつけてください。

 

以上が、債券でもコモディティでもなく株式を選んだ方が良い理由です。

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