投資とは、幸福の一助となるべきものであり、囚われてはいけません。
投資とは、お金を増やし、資産を形成させるために有効な方法です。しかし、これはあくまで幸福になるための手段の一つであり、投資の成功を目的と勘違いしてはいけません。
投資に拘ることは、お金に囚われることを意味します。人生の大きな部分をお金に囚われてしまうと、人生の目的や意味などをお金に頼る事になりかねません。
より良い人生を歩むために、お金は手助けとなるものではありますが、お金に操られてはいけません。
お金はただの道具であり、信用を形にしたものでしかありません。それ以上でも以下でもないのです。お金と良きパートナーという関係を保つためにも、お金は人生のサポーターくらいに思って付き合うべきなのだと思います。
そうは言っても、お金はないと困ります。
老後も不安です。
少し前、金融庁が公表した報告書でテレビのニュースでも話題になった老後資金2000万円が必要になるというお話。
ここではその金額が正しいのか間違っているのかについては言及しません。そんなものは人によって違うし、あれはとある一例のシミュレーションなので万人に当てはまるものでもありません。
しかしここでは仮に老後には年金以外にも一人当たり2000万円が必要だという過程で話を進めていきたいと思います。
さて、老後というものが具体的にどのタイミングを指すものなのかは分かりませんが、大抵は定年退職後や年金をもらう年齢なのではないでしょうか。その時までに2000万円を用意しなければいけません。
ライフプランは難しく、結婚したらどうするか、子供ができればどれだけのお金がかかるか、途中で病気や怪我、事故にあったりしたらどうするかなど、不確定要素を考慮したらきりがありません。そのようなものに対応するお金も準備した上で2000万円が必要となれば、どれだけ貯蓄をし続けなければいけないのかと途方に暮れるかもしれません。
しかし、将来が不安だからと言って日々慎ましく、食事も質素に、休みの日も出かけず家に一人でいるようにして暮らしていると、それこそ自分の人生が何なのか分からなくなってしまいます。
投資とは、目先の利益を追う博打とは違います。長期的視野を持って資産を増やす行動であり、利益追求のギャンブルではないのです。相場がどうだからどうしましょうなどという謳い文句は本来投機とよび区別されるものです。
ここで必要性を伝えたいのは投資です。これは明言させていただきます。
私の尊敬するウォーレン・バフェット氏は自分の死後の資産についてはその90%をS&P500に連動するインデックスファンドに投資するよう勧めているそうです。
S&P500というのはアメリカの格付け会社スタンダードアンドプアーズがアメリカを代表する500社の平均株価を指数化したものです。日経平均株価やTOPIXの米国版と思っていただいで構いません。
究極的な話、ローコストのインデックスファンドに毎月積み立てていれば、老後と言われる時がきたらいつの間にかそれなりの資産が出来上がっているのです。
まずはこのサイトを見ていただきたいと思います。ここでは世界のあらゆるインデックスが見られる便利なサイトです。
これを見ると、S&P500は2019年11月を基準として計算した場合、20年間では年利6.6%となっています。30年間では年利回り9%という素晴らしい数字になっているのがわかると思います。
では次にこのサイトをご覧ください。これは色々な生活や実務で役立つ計算をしてくれるサイトです。
S&P500をつみたてNISAを活用して20年間33,000円積み立てていくとしましょう。インデックスファンドも今の時代、ネット証券では購入手数料は無料ですし、信託報酬は0.1%程度なので、もはやほとんど手数料はかからないと思えます。
この条件で計算した結果が次のとおりです。
https://keisan.casio.jp/exec/system/1254840095
利率は6.6%
期間は20年間
つみたて金額は33,000円
元金は勿論0円からスタート
NISAは非課税ですし、インデックスファンドは基本的に分配金は出さないので、このまま非課税の計算で出しますと、なんと20年後には1,600万円に増えているではありませんか!
これはあくまでシミュレーションですので、実際にこの数字になるわけではありませんが、福利の力を使い、日々のマーケットに流されず企業や経済の成長を信じて地道に積み立て続ければこのような資産を形成することもできるとお話ししたいのです。
日々節制や節約をして、やりたいこともやらず、行きたいところも行かずに慎ましく過ごさなくても、毎月コツコツ積み立てるだけでも資産は形成できるのです。老後の資金が不安だというのなら、もうこれで不安がる必要はないでしょう。あとは投資以外で着実にお金を稼げばいいんです。
金融商品は扱い方によってはギャンブルのように一獲千金を狙えるモノですし、また破産に追い込まれかねない危険な商品です。しかし、あらゆる道具と同じように、正しく使えば間違いなく人生をより良くするための手助けになるモノなのです。
是非正しい知識を持って金融商品と付き合って下さい。そうすれば、投資は間違いなく私たちの味方になってくれるのです。
お金をたくさん持って一体何をしたいのか
誰しもがお金持ちになりたいと思います。一番欲しいものは何かと問われれば、かなり高い順位にお金が入ってくるのではないでしょうか。しかし、そもそもどうしてたくさんのお金を欲しがるのでしょうか。少し考察していきたいと思います。
生活していくため
これがまずは基本的なことです。生活に必要な要件は「衣食住」と表現されます。
まずは着るもの。
この社会で生活していく上で着る物がなければまず生きていけません、色々な意味で。
衣服を着るためにお金は必要ですね。でもそのために何億円ものお金は必要ないはずです。
次に食べるもの。
その次に大事なのは食べ物です。生物ですから、食事をして栄養を取らなければ死んでしまいます。生き続けるためには食事をし続けなければいけません。そのためにはお金が必要です。しかし、やはり何億円もお金を持っていなければ食事も賄えないでしょうか。
そして住むところ
住むところももちろん大切です。人間も生き物ですから、安心して眠れる場所の確保は必須です。ですが、住む場所を確保するためにお金はどれだけ必要になるのでしょうか。家や土地を購入するためには何千万円が必要になるでしょうが、必ずしも買わなければ生活できないわけではありません。
賃貸やシェアハウスなど、今はあの手この手で居住地を賄うことはできますし、それであれば何千万円も必要ないでしょう。
お金という目に見えるパワーを手に入れるため
お金をたくさん持っていれば、人よりも上に立てる気がします。人はお金のためなら命の危険さえも犯すことができるくらいですから、お金があると色々な人に命じたり、上に立てたり、注目を得られることになるのでしょう。
しかしこの考え方はお金に縛られ、自分に自信を喪失させ、人生をつまらないものに変えてしまう可能性が非常に高くなります。このような考え方を持つ人は、大抵が自分に自信がないのです。自信がないから、お金を持つことで自分の優位性を主張しようとします。
しかし、どれだけお金を溜め込もうが自分よりお金持ちは常に存在するでしょう。だからいくら持っていても自信はたいしてつきません。お金で愛や友情は買えません。お金で人間関係を構築すると、お金がなくなった時に簡単にその関係は瓦解します。金の切れ目が縁の切れ目というやつです。
お金には確かにパワーがあります。しかしそれを自分の優位性や権力のために使えば必ず不幸になるでしょう。
自由になるため
お金があれば自由になれると考える人は多いです。お金があればやりたくもない仕事なんてしないで、色々なところに出かけて気ままな人生が歩める。
残念ながらお金で自由を買うことはできません。確かにお金を使って一時的なしあわせな気分を味わうことはできますが、それだけです。それで心からの満足は得られますでしょうか。
今に自由を見出せない限り、自由になることはできないでしょう。そして、自由になるために今以上のお金は必要ありません。
幸せになるため
お金があれば幸せになれると考えている人は多いです。お金は人生や社会のあらゆる面倒ごとから解放されるための大きな武器になると感じ、お金こそが幸福への道であると信じている人は思いの外多いそうです。
しかし、幸福はお金で買えるかという点で見れば、その一助をすることは可能でしょうが、幸福そのものはお金では買えないということです。幸福の定義は人それぞれですが、いずれもがその人の心の中に存在するものであり、自分の外にあるわけではないので、それを“買う”ということは出来ないのです。
果てしてお金はどれくらいあれば良いのか?
お金を欲する理由を簡単にまとめてみましたが、いずれの使い道も、お金持ちにならなければいけない理由にはなり得ないと思いませんか? 私は尊敬する人物の一人であるスティーブ・ジョブズの影響でミニマリズムや禅の教えなどを学んでいますが、彼だけでなくあらゆる世界の偉人や有名人の話をまとめていると、お金があれば人生はうまくいくわけではないようです。
人生の良し悪しをお金に求めてはいけません。それは物欲に囚われ、人生を見失うリスクを肥大化させます。自分にはどれだけのお金が必要なのかは人によって違いますので一概に定義付け出来ませんが、沢山あれば良いということではないので、足るを知るの精神でお金と付き合っていく方が健全なのだと思います。
THE LOP REXへご来訪頂きまして、誠にありがとうございます。
初めまして、数あるブログの中から当ブログを御来訪いただき、誠にありがとうございます。当ブログは、私の今までの人生や生活の中で学んだお金にまつわるあらゆる物事を記録し、また発信する場として立ち上げたものになります。
改めまして、このブログを運営するH.Kelsyuと申します。
ここでは簡単にelsyuと表記させていただきます。
とある地方銀行の従業員で働いているのですが、現在は人事異動により期限付きで提携証券会社に在籍しております。銀行員の時から資産運用に関わる仕事をしてまいりまして、金融商品を売る側の悲しい現状に辟易してきました。
銀行では基本的に資産運用系の商品群のことを預り資産とよびます。銀行で主に販売できる商品は「投資信託」或いは「保険」が主です。
正確には「個人向け国債」や「外貨預金」の類の取り扱いもありますが、個人向け国債は運用元である日本国債の利回りが低すぎて利回りが下限(0.05%)となっており全く魅力が出ず、また営業員の手数料もほぼほぼ入ってこないので積極的に販売されることはありません。
外貨預金は円預金よりも高い利回りを期待することはできますが、入り口と出口で為替手数料が発生するので、あまり効果的な金融商品とは言い難い部分があります。例えばアメリカドルの外貨定期預金を作成する場合、片道50銭の為替手数料が発生します。これはおよそ0.5%の手数料を支払うことを意味します。
為替手数料は往復でかかりますので1円の手数料が発生します。つまり1%の為替手数料が発生することになります。これに対して、記事作成時点(2019年12月22日)での勤務している銀行のアメリカドル1年もの外貨定期預金の金利は0.8%ですので、単純に金利だけで考えれば1年間では手数料を取り戻すこともできないのです。
投資信託も大手ネット証券は購入手数料を無料にしていますが、対面式の銀行や証券取引においては平気で2~3%の手数料がかかります。対面取引のコストがネット取引のコストに勝つことは不可能です。
ネット取引では自身で全てを判断しなければいけないですよ、それに比べて対面取引であれば色々なアドバイスを受けられます、と言うのが対面型の言い分ですが、はっきり言ってそのアドバイスとやらの大半は何の役にも立ちません。それらは全て自分たちの手数料のためのアドバイスなのですから。
このような人の役に立たない仕事に嫌気がさし、webライターを目指して今はブログ作りに励んでいます。
当ブログではとりわけ「お金」に関する記事を色々な見方で発信していきたいと考えております。資産運用の観点からもあれば、お金の本質のようなちょっと哲学的な考え方まで色々な人の考え方も紹介しつつ、自分でも読み返してためになるブログを作っていきたいと思っています。
投資の勉強をしていると、投資で生かされる知識って人生にもそのまま適用されたりできるんですよ、これが面白いところです。
「リスクを負えないなのであれば、リターンを求めるべきではない」
外国為替の円安と円高をシンプルに分かりやすくご説明します。
テレビの経済ニュースや投資を行おうとする際に必ずといってもいい頻度で耳にする言葉、それが円安とか円高とか言われるものです。
よく聞くけど、そもそもいったいどういう意味なの?
外貨建て保険や外国資産に投資を行う投資信託は今や物珍しい商品ではなくなりました。ですが、保有しているお客様でさえいまいちこの言葉を理解されてない方が多くいらっしゃいます。できるだけ分かりやすく、シンプルにお伝えできればと思います。
円高とは日本円の価値が上がっていることです!
お金とはそもそもなんでしょうか。答えは単純に
「モノを買う道具」です。
つまりお金の価値というのはこの
「モノを買う力」を指すんですね。
円高というのは、円の価値が高くなることを表現する時に使うことなんです。
つまりニュースなどで昨日よりいくらいくら円高に〜なんて言葉が出てきたときは、昨日よりも日本円のものを買う力が高まっていることを考えて下さい。逆に円安というときは、あなたのお財布に入っている日本円のものを買う力が弱くなっている、ということなんです。
どうして円安や円高が起きるのでしょうか!?
お金のものを買う力が強くなるとか弱くなるとかを説明するには、物価を理解しなければいけません。ここでは難しいことは置いておいて、モノの値段という解釈をしていただければOKです。
モノの値段が上がると、景気は良くなります。実際は一概にそう言えないのですが、一般論ではこういう表現がされます。なぜなら、モノの値段が上がるということは、それを販売する企業の利益が増えるからです。
企業の利益が増えれば、それだけ給料を多く出せることになります。やはり実際にはそんなことになっていないのが今の日本なのですが、ここではあくまで理論的なお話として説明しますね。
お給料が増えればサラリーマンは多くのお金を手にすることができるので、支払いに余裕を持てるので色々なものをより買えるようになります。そうすると、企業の利益がまた増えていく、そんな一連の好循環が景気を良くするのです。
景気が良くなることをインフレーションと呼びます。日本政府はこの循環にもっていくためにあの手この手で景気をよくしようとしています。結果はサテオキですが。
さて、景気はそれで良いのですが、このインフレーションになると、日本円のモノを買う力は弱くなるんです。つまり円安になるんですね。なぜなら、景気が良くなると企業はより多くのモノを販売しようとするのでコストが上がりますし、モノの需要が増えていくことで値段は釣り上げられていくのです。
つまり、もともとは100円で買えていた製品が、値段が上がることで100円では買えなくなるわけです。これは、お金のモノを買う力が弱まっていると解釈できるわけです。これが円安です。逆にモノの値段が安くなっていく(いわゆるデフレーション)と今まで100円で買っていたものが、お釣りが来るようになるので、モノを買う力が強くなったと解釈できるので、円高というのです。
まとめますと、モノの値段が上がっていくと、円安になります。
モノの値段が下がっていくと、円高になります。
この話、外国為替を理解するためにはとても大事なお話なので覚えておいてもらえればと思います。
二つの国の物価の不公平さを調整するのが外国為替です!
例えばアメリカと日本の景気は違いますよね。物価も違います。日本もインフレに動いてはいますが、アメリカほどでは全然ありません。金利も海外の方が高いところがほとんどですね。金利が高いということは、景気が良いのですね。金利を高くしても借りてくれるわけですから。
さて、ここで思考実験といたしましょう。あなたにアメリカ人の友人がいたとします。説明をわかりやすくするために、あなたは100円を、友人は1ドルを持っていたとします。
日本の金利は0%、アメリカでは好景気で2%の金利だと仮定して下さい。
外国為替レートで、1ドル=100円だとした場合、あなたと友人が持っているお金は同じ価値を有していることになります。
一年後、あなたの手元には100円がありますが、友人はいつの間にか1ドル2セントになっているではありませんか!つまりは・・・
1.02ドル=100円
という為替レートになるのですね。
今までは100円で1ドルに交換したけども、今は100円で1ドル2セント交換できるんです。これはあなたの日本円の価値が上がったということです。円高です。これが、インフレーションになっている国の通貨の価値は下がるという理屈です。
さてさて、外貨建て保険や外貨定期預金では、日本の円では金利がつかないので、海外の通貨に両替してお金を増やしましょうと言われます。ではこのケースで考えてみて下さい。
あなたの100円を友人の1ドルと交換してもらいます。その時の交換レートは1ドル=100円ですね。1年後、あなたの持っているアメリカドルは1ドル2セントに増えますが、アメリカの友人は100円のままでお金が増えていきません。
これ、すごく不公平ですよね。
だって日本は不景気で物価があまり上がらないので、2%の金利は非常に魅力的です。しかし、友人のアメリカ人からすれば、自分たちの住んでいる国のモノの値段はどんどん上がっていくのに持っているお金は一向に増えないのですから、損してばかりです。
こんな片方だけが儲かるような不公平な状態は、正されなくてはいけません。この役割を担っているのが外国為替なんですね。増えたアメリカドルを再度日本円に戻す時に、円の価値をあげることでその分を利益を調整するのです。
上記の例で言えば、最初1ドル=100円で両替をして、一年後に日本円に交換する際の交換レートが1.02ドル=100円という交換レートで両替させることで不公平さを調整するのです。
外交為替レートは短期的には色々な要因で変動します。企業間の受給であったり投資家の思惑、政治の影響もあります。些末な材料に一喜一憂して売買がされるので為替レートはその度に変動します。
しかし、長期的にみていくと今のように、2つの国の物価上昇によるインフレの違いから起きる不公平さを相殺するように変動していくのです。インドやインドネシアなどの経済成長著しい国と日本の為替レートを調べてみて下さい。綺麗に円高に進んでいるのがわかります。
*世界経済のネタ帳様より
外国為替が円安や円高に推移していくのは、こういった事情があるのです。銀行員や保険の営業の人はそこまで詳しいことは言いません。といってもそこまでの知識を持たない人も多いので、説明することができないというのが実態ですが。
証券マンはそういった経済の仕組みを知っている人が金融業の中で相対的に多いと感じていますが、それを知った上で販売しているのでより悪質なんですね。
まとめ
◯日本円のモノを買う力が強くなることを円高、弱くなるのが円安。
◯景気がよく物価が上がっていく国の通貨の価値は下がっていく。
◯長期的には2つの国のインフレーションの不公平さを相殺するのが外国為替です。
*因みに、モノを買う力のことを経済用語で購買力とよびます。
『しあわせ、ずっと2(定期支払コース)』のメリットとデメリットをご説明いたします。【外貨建て保険】
銀行の窓口などで、過去に『たのしみ、ずっと」という商品が販売されていました。理由は分かりませんが、この商品は『しあわせ、ずっと」に統合され、しあわせ、ずっと2という商品が出来上がりました。
『しあわせ、ずっと2』とは、要するにしあわせ、ずっととたのしみ、ずっとを併合した商品なのです。積立コースと定期支払コースに名前を変えただけです。今回は、たのしみ、ずっともとい定期支払コースのメリットとデメリットをご説明したいと思います。
まずはメリットからご紹介しましょう。
海外のお金の金利で高い利回りを受け取れる。
外貨建て保険のメリットは極論ここに限られるといっても過言ではありません。日本円では金利は当然ですがほぼつきません。それは円建ての保険にしても同じで、保険会社は円建ての保険で死亡保障を厚くできないので、外貨建てに注力せざるを得ないのが現状です。
2019年12月16日〜29日の期間に適用される利率を見てみますと、アメリカドルは1.6%に対してオーストラリアドルは0.5%です。どういうわけか、オーストラリアドルの場合、積立コースよりも0.15%利率が低いんですね。この利率では為替のリスクの方が高くてやる意味がないと思いますけど。
何はともあれ、日本円の定期預金は0.01%という最早ゼロ金利と呼んで差し支えない状態なので、アメリカドルで1.6%の利率は魅力的でしょう。
毎年1回利率で増えた分はお通帳に入ってくる。
正直なところこれをメリットと捉えるかどうかは微妙なところなのですが。積立コースの場合目標達成をするか意図的に解約しない限り自分で使うということは基本的にできません。
定期支払コースでは年に一回増えた分がお通帳に入ってくるので、その分に関してはご自分でお使いいただけるわけです。なので、家族に遺すためのお金だけど、自分が亡くなるまでは増えた分くらいは自分で使わせてちょうだい、というのがこの商品です。
通常の保険と同様のメリットがある。
契約者に万が一があった際、死亡保険として指定した家族に残せるので、現預金と違い相続で揉めることはこのお金に関してはないでしょう。また終身保険なので、相続税法第12条により相続税の控除枠を活用できます。
法定相続人の人数 × 500万円
については、被相続人の総資産から控除されるのです。但し契約者が被相続人、受取人が法定相続人でなければいけません。ここは気をつけてください。
続いてデメリットをご案内いたしますね。
外国為替の影響を受け損失を被る可能性がある。
この商品は海外のお金に両替して、その国の金利を享受しようというコンセプトですから、両替レートによっては海外のお金を戻す際に円高であれば損失を被る可能性があります。
また、利率によって増えたお金はもともと海外のお金なので、毎年通帳に戻すためには日本円に再度両替する必要があります。
その際に為替レートによって日本円での換算額は毎回変わりますので、入ってくるお金は増えたり減ったりすることになります。
為替手数料が高い。
この保険はどちらのコースでも同じですが、日本円から外貨に両替する際に両替手数料が発生します。こういった商品の場合、当日の為替レートを大体午前10時くらいの為替相場で決定します。そこからさらに50銭を上乗せして両替レートを計算することになります。
つまり、例えばその日の為替レートを1ドル=100円とした場合、本商品を買い付ける際の実際のレートは1ドル=100円50銭で計算するのです。これはおよそ0.5%の手数料だと考えてください。更に毎年の定期支払金や死亡保険金として日本円に戻す場合にも逆のことが発生しますので、往復で1%の手数料を取られると思ってください。
そもそも毎年貰うなら債券でも良いのではという疑問。
この商品は保険商品です。家族に残す、相続税控除に活用するというのであればこれでも悪くはないのでしょうが、運用という目的が第一に来る場合、この商品はあまり適切ではありません。なぜなら、単純に高利回りの商品が良いのであれば債券でもいいからです。
例えばソフトバンクグループが定期的に発行している社債なんかは、前回(2019年9月に募集があった第57回発行分)は期間7年で利率は1.38%でした。これはソフトバンクグループが債務不履行にならない限り安全な商品です。これでもこの保険と近いくらいの利回りは出ますし為替の影響はありません。別途支払う手数料もありません。年に2回利息が振り込まれます。
また外国債券であれば為替のリスクは同じですが発行元などの違いからもうちょっと利回りの高い商品も選ぶことはできます。米ドルや豪ドルであれば債券が満期が来て償還しても、外貨のまま保有できる仕組みがあるので、為替のリスクをある程度抑えることも可能です。
定期支払金は雑所得。
これは言葉通りの意味ですが、定期支払金は雑所得になりますので確定申告の際にはお気をつけください。
個人的な見解を述べますと・・・
正直なところ、定期支払コースはお勧め出来ません。なぜなら基本的な仕組みは債券とほとんど同じだからです。ちなみにこの保険商品は預かった外貨は債券で運用します。
市場調整なんて言葉がパンフレットに書かれていますが、これはほとんどのお客様が理解されていないと思います。というか銀行員でも理解してないで売ってる営業員が結構いるのが実情です。
別記事でも取り上げますが、債券の値段というものは、金利と反比例します。簡単に説明すると、金利が上がれば債券の値段は下がります。金利が下がれば債券の値段は上がります。ただ為替レートだけでみているとアレッ? ということがおきますのでご注意が必要です。
為替のは結構円安なのに日本円に換算するとそうでもない、というときは、その国の金利が上がっている可能性があります。
相続税控除に使いたい、受取人を決めておくお金がある、こういう時にはこの商品も契約する意味がありますが、もしも預金金利は低いですからこちらはどうですか〜?という誘い文句で検討されるなら、私はお勧めしません。銀行は投資信託か外貨建て債券しか手数料の高い金融商品がないので、必然的に保険会社から高い手数料が入ってくるこういったものを提案してきます。契約する際には、よくご検討をしてから申し込むようにして下さいね。
商品情報:しあわせ、ずっと2 | 三井住友海上プライマリー生命
『しあわせ、ずっと2(積立コース)』のメリットとデメリットをご説明いたします。【外貨建て保険】
銀行の窓口に足を運んだ時、窓口の銀行員から
「今は預金金利も低くて預金のままおいてもお金は増えません。少しでも高い金利が期待できる商品に興味はありませんか?」 と勧誘されたことはありませんでしょうか。
大体銀行員がこのような話をするときは、投資信託か外貨保険の勧誘です。というよりもそれ以外にはないと思ってもらって結構です。
今の普通預金の金利は0.001%、定期預金だって0.01%です。ATMの手数料1回で簡単にマイナスになってしまう利回りです。どうにかならんもんかと思っている時にこのような話を聞くと興味が湧いてしまいますよね。
今回は地方銀行のほとんどで販売されている外貨建て保険「しあわせ、ずっと」について商品のメリットとデメリットをシンプルにご説明したいと思います。
まずはメリットからご案内しましょう。
海外の通貨で運用するので、高い金利と為替で更なる利益を狙える。
日本の金利は世界的に見てひじょーに低いです。ヨーロッパも負けないくらい低いです。こういった国の通貨は利回りがほとんどつきません。悲しい話ですね。
しかしアメリカやオーストラリアは金利が日本よりも高いです。アメリカの政策金利はおよそ1.5%すると思ってください。つまり、アメリカのドルに両替すればその金利を受け取れるのです。素晴らしいですね。
要するに、金利のつかない円なんていらないから手放して、金利のつくアメリカのドルに変えましょうということです。ただ通貨を変えるだけで金利がつくなんてすごいですね、なお2019年12月16日〜29日のこの保険のアメリカドルにした場合の利率は1.6%です。
さらに、将来的に円の価値が下がり、ドルの価値が上がれば(円安)、ドルを円に両替する時にさらにお金が増えるのです。まさに良いことづくしです。これはもう契約しないなんてもったいないでしょう! なんて営業がされるわけです。
相続税控除に使える。
この保険は終身保険ですので、契約者が死亡した際には預けていた海外のお金は円に戻されて死亡保険金として支払われます。
相続税法第12条には、生命保険の死亡保険金には
「法定相続人の人数 × 500万円」
の限度額まで相続税の非課税枠が使えるのです。税法に関する詳細はここでは割愛しますが、契約者が被相続人、受取人が相続人の場合、相続税を抑えることが出来るんですね、これはありがたい制度です。
利益の目標設定ができる
為替は毎日動いています。そうでなくても保険なんて契約したら内容なんて普段は忘却の彼方に行ってしまい、思い出すこともそんなにないことでしょう。そうすると、実は過去のあの時点で解約すれば結構な利益になったのに、ということがまま起こります。
この保険はそんな時に決めた目標利回りまで円換算額で達成した場合に外貨運用をストップする機能があります。これで放っておいても運用が良いところまで来ればいちいち気にしなくても済むことになりますね。
お次にデメリットをご案内します。
外国為替で損をする可能性がある。
メリットの点でお伝えしましたが、円の価値が下がり、ドルの価値が上がった場合、ドルから円に戻した時にさらに増えて戻ってくることになります。これは逆説的に言えば、円の価値が上がり、ドルの価値が下がった場合(円高)、ドルから円に両替する時に損失が発生することを意味します。つまりリスクのある商品なんですよ!
目標設定はあくまで解約控除込み
為替や利回りで一定の水準に達した際に、そこで外貨での運用をストップするシステムがあるわけですが、このラインには単純に利率と為替だけでなく、解約控除も考慮しなければいけません。解約控除は初年度は5%で、そこから1年ごとに0.5%ずつ減っていきます。つまり初めの数年はちょっと為替が良くなったくらいでは目標達成しないのです。
そもそも外貨で保険にする意味はあるのか疑問。
この保険商品は終身保険です。終身保険の目的は契約者が死亡した時、残された家族に少しでも多くのお金を遺してあげようという趣旨のもと契約されます。しかし外貨建て保険の場合、利率は確かに日本円よりも高いですが、両替するときのレート次第では普通にマイナスになり得るわけなので、もしかしたら契約した時よりも円としては減ってしまう可能性があります。
個人的な意見として・・・
この保険には以上のようなプラス面とマイナス面があります。分かりやすく分解すると
海外のお金の金利で増やす+死亡保険
これがこの保険です。
しかし、仮に外貨運用をしたいということであれば、外貨定期預金なり外国債券なりの選択肢があります。外貨定期預金は金利的には店舗型地方銀行では若干劣るかもしれませんが、ネット銀行ならより金利が高いところもあります。
そこに円建ての死亡保険をセットすれば同じようなメリットはあるはずで、わざわざ解約もしづらく手数料も掛かる外貨建て保険にするメリットはないのではないかと思います。
それでも世間にこれだけ外貨建て保険が溢れているのは、銀行や証券会社にとって大きな収益源になるからです。投資信託と外貨保険では銀行や証券会社に入ってくるフィーがべらぼうに違うのです。
収益重視となってしまった今の金融業界では、目先の手数料欲しさに少しでも手数料の高い商品を提案してきます。こういった商品を検討する際は、本当にこの商品が自分に合っているのか、他の選択肢はないのかについてよく考えていただければと思います。
商品情報:しあわせ、ずっと | 三井住友海上プライマリー生命
投資信託はこれを買っておけばOKです。
「投資信託って銀行や証券会社でたくさん扱っているけど、一体どれを買えば良いの?」
日本国内にはおよそ6000本近くの投資信託が開発されていますが、ほとんどの商品が金融機関に有利な設計で作られているしょーもない投資信託ばかりです。ここで、何を買っておけば無難なのかをご紹介しましょう。これらはベストな投資信託ではないですが、ベターな投資信託であることには間違いです。
投資信託を選ぶ際に気をつけるのは以下のたった2つです。
- 購入手数料無料(ノーロード)の商品を選ぶ。
- 信託報酬は0.2%以下の商品を選ぶ。
購入手数料無料(ノーロード)の商品を選ぶ。
これは絶対必須の条件です。投資信託は銀行や証券会社では購入手数料といわれるものを課します。
料率は商品によって違いますが、銀行では2%前後、証券会社では3%前後のものが多いです。
これは対面販売などで買い付けにかかる人件費などの含めた手数料とされていますが、ネット証券では同じような商品が手数料無料で販売されており、買い付けと同時に2〜3%をいきなり損失して始まるということ自体が不条理だと考えてください。
今やネット証券大手だけでなく、複数の証券会社で投資信託の購入手数料を無料化しています。同じ商品を別のところで買うだけで3%損失するのはどう思われるでしょうか。3%は決して小さな数字ではありません。
ただ対面で手続きをするだけでかかる手数料など支払う価値はありませんから、購入手数料に関してはお気をつけください。
信託報酬は0.2%以下の商品を選ぶ。
信託報酬とは、運用会社と販売会社と受託銀行が日割で差し引いていく手数料です。
日割で差し引いた後の計算で日々の基準価額を算出しているのでいまいち手数料がかかっているのか分かりづらいですが、間違いなく運用利益を阻害する要因です。
また、投資信託にはアクティブ型とパッシブ型があり、パッシブ型はインデックスファンドと呼ばれ、なんらかの指数に連動するように投資銘柄を選択します。
例えば日経平均株価という指数に連動するインデックスファンドは、投資先が日本経済新聞が決めた225社の国内上場企業ですから、それらを買い揃えてしまえば極論他にすることはありません。
アクティブ型は、パッシブ型を上回る成績を出すことを至上の目的として存在するものです。
そのためにファンドマネージャーと呼ばれる人が日々企業の分析やマーケットを研究し積極的に株式を売買して大きな利益を出そうとします。
しかし、残念ながら日本でもアメリカでも、アクティブ型は長期的にはパッシブ型には勝てないという統計が出ております。
理由はファンドマネージャーはプロと呼ばれますが、プロでも判断を謝ることが多いこと、そして人件費が嵩むのでコストが高くなってしまい、それが長い期間の中で利益を減らしてしまうのです。
要するに、①プロも間違える、②無駄に手数料を払う、と言った理由でアクティブ型は負けるわけなので、ならば手数料を払うのは無駄なのです。信託報酬が少ないのは、必然的にインデックスファンドになるというわけです。
これを買っておけばOKな投資信託
SBI・バンガード・S&P500インデックス・ファンドeMAXIS Slim米国株式(S&P500)
投資の神様と呼ばれるウォーレン・バフェット氏が推奨するのがアメリカの代表的な指数であるS&P500に連動するインデックスファンドに積み立て投資することです。
スタンダード&プアーズと呼ばれるアメリカの代表的な格付会社が選出するアメリカを代表する500社を平均化したものです。
これに投資を行うということは、アメリカそのものに投資をすることと同義であるとお考えください。
eMAXIS Slim先進国株式インデックス
ニッセイ外国株式インデックスファンド
たわらノーロード先進国株式
世界中に数多く国はあるけれど、アメリカだけに投資するのはちと不安。新興国のような不安定な国に自分の資金を託すのも怖いし、結局のところ世界経済を牽引するのは先進国だから、先進国にまとめて投資して仕舞えば良いじゃないか! という発想から先進国24か国に分散投資するのがこれらです。
世界の時価総額で分散するので結局のところアメリカの比率が高いです。ただ将来的にアメリカではない国が覇権を握る時にはその国の比率が高まるので常に世界の主導者たちに投資ができるメリットがあります。
eMAXIS Slim全世界株式
今はアメリカが世界の中心だけど、今後もしかしたら中国がアメリカと並ぶかもしれない。これからは新興国だって経済成長が目まぐるしいから株価も上昇速度が速いかも!?
結局のところ、10年後20年後にどこの国の株価が一番伸びるかなんて分かりません。だったらもう面倒くさいから全部買っちゃえば良いじゃない! それがこのeMAXIS Slim全世界株式です。
モルガン・スタンレー・キャピタル・インクの株式指数で
・先進国24カ国
・新興国21カ国
・発展途上国25カ国
合計70カ国の株式市場に分散投資をしていますので、まさしく全世界にまとめて投資するパッケージ商品です。世界経済が緩やかにでも成長し続ける限り、つまり世界の資本主義が続く限り、穏やかにではありますがあなたの資産価値は上がり続けるでしょう。
新興国や発展途上国に無理して直接投資をする必要性はありません。こう言った国々は規制が厳しく、先進国と比較して情報が少なく、手数料も割高になります。
政治や経済が不安定なところが多いのでちょっとした揉め事なんかが起きれば株価にも大きな影響が出やすいです。
また、新興国の経済成長の恩恵を受けたいのであれば新興国に商品やサービスを販売している会社に投資をすれば、間接的に売り上げという形でメリットを享受できるわけなので、敢えて手数料をかけて投資をする必要はないと思います。